
「手刺繍?ミシン刺繍?違いと魅力」
刺繍といえば、皆さんどんなイメージがありますか?
「刺繍って、ひと針ずつ手で縫うやつでしょ?」
多くの人がそう思うかもしれません。でも実は、刺繍にはいくつかの方法があるんです。
“手刺繍”・”自動ミシン刺繍”・”足踏みミシン刺繍”…
手で一針ずつ縫う“手刺繍”? それとも機械でササっと刺す“ミシン刺繍”?
実は刺繍の世界、思っている以上に奥深いんです──。
”手刺繡”は、想像通りの糸と縫い針を使って、一針ずつ針を通していき、作り上げていくものです。いろんなミシンを使ってきた私は、この手縫いには相当の根気と集中力がいると思い、挑戦はしませんでした(>_<)
というのも、今後ブログでご紹介させていただきますが、私の取引先の刺繍業者の方がミシンを使ったお仕事をされており、それを見ていたので、刺繡をお仕事でやっていくと考えたときから、ミシンを使った刺繍を考えていました。”手刺繡”と”ミシン刺繍”それぞれで良さがあり、どこかで、手刺繡にも挑戦をしていこうと思っていますので、その時はまたご紹介させていただきます。
それでは、刺繍ミシンについてご紹介していきます。刺繍ミシンは大きく分けると”足踏みミシン”と”自動ミシン”に分けられます。私の工房では、両方の機械を導入し、制作しておりまして、今回は、”足踏みミシン”についてのご紹介です。
今では、科学や情報の発達により、自動ミシンは目覚ましいものがありますが、これらが普及する前、個人の刺繍業者のミシンはこの”足踏みミシン”が一般的だったようです。主に名前入れのお仕事があったようですが、イメージを刺繍したものでは、スカジャンの裏の”龍の模様”、”虎の模様”の刺繍を思い浮かべるといいと思います。これらを足踏みミシンの名称が”フリーモーションミシン”です(昔は”千鳥ミシン”ともいわれていたそうです)。
通常のミシンと大きくどう違うのかというと、通常のミシンは前後にだけ進むのが、この刺繍ミシンは、”前後左右”に動きます。下記写真を見てもらうと、生地押さえがついてないのが分かると思います。そして、足元(ペダル)付近のレバーが右膝を使って、左右の振幅を調整します。通常のミシンは、このレバーが生地押さえの上げ下げになります。
この調整幅を右膝を動かしながら、フットペダルでミシンの進むスピードを調整する。といった、少し極端ですが、二投流を同時進行でやっていかなくてはなりません。直線ミシンを触ってきた方でもなかなかイメージしづらいと思います。実際私も最初は見てびっくり、やってみて難しいと感じました。このミシンは今でも現役で活躍していますが、最初に見たときは正直、「え?これで刺繍するの?」と驚きました。
見た目はシンプルでも、使いこなすには感覚と経験がものを言う、職人技の世界。まさに“動くアナログアート”のような存在です。
次回のブログでこのミシンの特長などご紹介していきます。また皆さんにもこのミシンを使っているところを是非見てほしいので今後、動画配信していく予定です。
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