
Astream刺繍、はじまります
こんにちは、はじめまして!Astream刺繍です。
私は現在、熊本県水俣市で、小さなふたりの子どもたちの育児をしながら一匹の犬(豆しば)と一緒に家族にぎやかに暮らしています。
日々の子育てに追われながらも、ひと針ずつ針を進めるこの時間が、今の私にとって何よりも大切な“自分の時間”になっています。
ものづくりの仕事に本格的に関わるようになったのは、福岡で縫製の現場に入った二十代の頃。
それから20年以上、パターン作成・裁断・縫製、ミシンの整備や生地の仕入れまで、あらゆる工程に携わってきました。学校関係からの調理服などのご依頼も多く、生地の選定から納品までを一括で請け負い、5年以上は制作チームの管理・運営を任されていました。
その傍ら、個人のお客様からウェディングドレスやオーダーメイドの洋服のご依頼をいただくこともあり、「一生に一度」の大切な時間に寄り添える仕事として、ひと針ひと針を心を込めて仕立ててきました。
日常の服から、人生の節目を彩る服まで──縫い物は、私たちのすぐそばにある“暮らしのかけら”だと感じています。
思えば、私が初めて針を持ったのは、小学生の頃。
あの時はただ縫い目が揃わなくて悔しくて、手を動かすのが精一杯だったけれど、今、私の手元には、当時母が使っていた裁縫箱があります。
くたびれた木の箱に入っている糸切りばさみ、巻き尺、使い込まれたチャコペン──まさか自分がこの道具たちを受け継ぎ、それを使って仕事をしているとは、当時の私も、きっと母も思っていなかったと思います。
縫製という仕事を続けていく中で、私はどんどん“布”に魅せられていきました。
生地に触れ、その表情や手触りに合わせて針を進める。布って、思っている以上に繊細で、そして正直なんですね。だからこそおもしろいので、もっと皆さんに知ってほしいし、縫製する人は増えてほしいと思っています。
あらゆる縫い物に挑戦し、向き合ってきて、自分のことを縫製の“万屋(よろずや)”のようだなあと感じることもありました。それでもなお、布と針の世界はとても奥深く、毎日が学びの連続です。
そんな私が、今は“刺繍”に出会い、新たに刺繍を中心としたモノづくりをはじめました。
刺繍は、糸だけで思いを描く、静かな語りのような仕事です。時間をかけて、模様が少しずつ現れていく工程と出来上がりにはものすごく魅力を感じています。
このブログでは、なぜ、私が刺繡と出会ったか、刺繍の制作事例や、失敗や苦労話、縫製に関する小話、“あるある”な出来事、そして母から受け継いだ裁縫道具への想いなど──
そんな日々の中から見つけたことを、少しずつ綴っていきたいと思っています。
読んでくださる皆さんの暮らしの中に、ほんの少しでも“ものづくり、縫製のぬくもり”が届けば嬉しいですし、少しでも皆様のモノづくりのお力添えになれればと思っています。
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